わたしたちの食卓に身近な味噌汁。
最近では生活スタイルの変化に伴い、作らないご家庭も増えているようです。
でもわが家では、子どものいる食卓に、ほぼ毎日味噌汁を並べています。
実は、味噌汁の原型が登場したのは鎌倉時代!
今からおよそ800年も前から、日本人は味噌汁を飲んできたのです。
そんな味噌汁は、栄養の面でとても優秀な一品。
けれど、学生時代に食物栄養学を学んでいたわたし自身、一人暮らしのころはほとんど作っていませんでした。
「味噌汁って、出汁も取らないといけないし、時間かかりそうだし、なんか面倒くさそう…」と思っていたのです(栄養学を学んでいる学生のセリフとは思えないですね…あぁ恥ずかしい)。
今になって思うのは、「もっと早く、味噌汁のよさを知っていれば」ということ。
ここでは、味噌汁の栄養と、子どものいる毎日の食卓で続ける意味についてお話しします。
味噌汁のよさを知れば、きっと毎日の食卓に並べたくなりますよ。
成長期の子どもを支える味噌汁の栄養
見た目は素朴でも、味噌汁は栄養面でとても心強い料理です。
ここでは、味噌そのものの栄養と、具材によって広がる栄養バランスについてまとめてみます。
味噌に含まれる栄養
味噌の原料は大豆。
大豆は「畑の肉」ともいわれるほど、植物性たんぱく質を含む食材です。
たんぱく質は、筋肉や血液、皮膚などをつくる、成長期に欠かせない栄養素。
味噌が発酵する過程で、たんぱく質がアミノ酸に分解され、体に取り入れやすい形になります。
アミノ酸の中でも、体の中で作れない「必須アミノ酸」は、食べ物から摂る必要がありますが、味噌には、この必須アミノ酸が9種類すべて含まれています。
そのほかにも、味噌には、
- ビタミン(ビタミンB群など)
- ミネラル(マグネシウムやカルシウムなど)
- 食物繊維
など、ここでは書ききれないほどたくさんの栄養素が含まれています。
毎日少しずつでも取り入れることで、体を整える土台づくりにつながります。
腸を元気にする
味噌は、日本を代表する発酵食品。
麹菌の働きによって発酵が進み、乳酸菌や酵母といった微生物も関わっています。
発酵食品が身体にいいと言われているのは、皆さんご存じのとおり。
発酵食品は腸内の環境を整えて、体の調子を助けてくれることがわかってきています。
腸は「第二の脳」とも呼ばれ、体調や気分にも影響するといわれる大切な器官。
毎日の食卓に無理なく発酵食品を取り入れられることも、味噌汁の魅力です。
具材で栄養バランスが整う
味噌汁の強みは、具材を自由に選べること。例えば、
- 大豆製品(豆腐、油揚げなど)、卵 → たんぱく質
- 海藻(わかめ、海苔など) → ミネラルや食物繊維
- 野菜(玉ねぎ、キャベツなど) → ビタミンや食物繊維
- きのこ類(しめじ、えのきなど) → ビタミンや食物繊維
いくつかの材料を組み合わせるだけで、一杯の中に複数の栄養素を取り入れることができます。
そして、どの材料を選んでも、味噌汁にすると味がまとまります。
すごいぞ、味噌汁パワー!
子どもはその日の気分や体調で食べる量が変わるもの。
思うように食べてくれない日もありますよね。
そんなとき、具だくさんの味噌汁があると、他のおかずが少なくても栄養のバランスを整えやすくなります。
子どもに味噌汁をすすめたい理由
日々の子どもとの暮らしに、ぜひ、味噌汁を取り入れてみてください。
理由は以下にお示しします。
水分と栄養を同時にとれる
子どもは体が小さいぶん、体内の水分の影響を受けやすいといわれています。
特に朝は、寝ているあいだに失われた水分を補うことが大切です。
味噌汁は、水分補給をしながら、具材の栄養も一緒にとれる料理。
野菜に含まれるビタミンやミネラルの一部は、煮ることで汁に溶け出します。
味噌汁はその汁ごといただくので、溶け出した栄養も無駄なくとりやすい一品です。
もちろん、具もいただけるといいですが、わが家の末っ子のように偏食気味の場合でも、汁を飲むことで栄養を補うことができます。

朝でも食べやすい
朝はどうしてもバタバタしますよね。
それに、体もまだ目覚めきらず、ごはんがのどを通りにくい日もあります。
そんなときでも、あたたかい味噌汁なら、口に入りやすいようです。
わが家では、朝は味噌汁を一番に食卓へ。
子どもたちが味噌汁を飲んでいる間に、わたしはごはんなどの準備をしていきます。
「ごはん、いらな~い」と言われても、食卓に味噌汁を出すと、いつのまにか子どもたちは口をつけていて、その一口がきっかけになって、ゆっくり食事が始まることもあります。

味噌汁は毎日飲んでも大丈夫?子どもの塩分量の目安
栄養がたくさん詰まった味噌汁。
毎日食卓に出すとなると、塩分が気になる方もおられるかと思います。
子どもの塩分摂取量の目安
味噌汁1杯(約150ml)の食塩相当量は、約1.0〜1.5gといわれています。
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」*では、子どもの食塩摂取目標量はおおよそ次の通りです。
| 年齢区分 | 男児(g/日) | 女児(g/日) |
|---|---|---|
| 1〜2歳 | 3.0未満 | 2.5未満 |
| 3〜5歳 | 3.5未満 | 3.5未満 |
| 6〜7歳 | 4.5未満 | 4.5未満 |
| 8〜9歳 | 5.0未満 | 5.0未満 |
| 10〜11歳 | 6.0未満 | 6.0未満 |
一見すると、味噌汁の塩分量が多く感じるかもしれませんが、実際には子どもが飲む量は大人より少ないことも多く、具だくさんにすると汁の量も自然と控えめになります。
味噌汁1杯で、一日の塩分摂取目標量をすぐに超えてしまうわけではありません。
「味噌汁だけ」を見るのではなく、一日の食事全体でバランスを考えるとよいでしょう。
*厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」より。
基準は改定されることがあるため、最新情報は公的資料をご確認ください。
毎日続けるための塩分対策
塩分が気になるときは、次のような工夫もあります。
- 具だくさんにして、自然と汁の量を控えめにする
- 出汁や食材のうまみを活かし、味噌の量を少なめにする
- 味噌をブレンドして、少ない量でも満足できる味にする
- 少し小さめのお椀を選び、無理なく量を控える
また、野菜やいも類、果物に含まれるカリウムは、体の中の塩分の排出を助ける働きがあるといわれています。
味噌汁に野菜やいも類を加えたり、食卓に果物を添えたりするのも、ひとつの工夫です。
味噌汁を、ぜひ毎日の食卓に
昔から「味噌汁は朝の毒消し」とも言われ、朝に体を整える食べ物として親しまれてきました。朝、味噌汁を飲むことで水分と栄養を補給でき、身体もあたたまる。
もちろん朝だけではなく、いついただいても味噌汁の効果は変わりません。
味噌汁は、派手な料理ではないかもしれない。
けれどその一杯には、水分や野菜に加えて、味噌そのものに含まれる大豆由来の栄養も含まれています。
わが家の末っ子は偏食気味なので、栄養がちゃんと摂れているのかなと心配になることがあります。
そんなとき、味噌汁を少しでも飲んでくれると、「よかった、これで少し栄養が摂れた」とほっとするのです。
味噌汁を、日々の子どもの食卓にそっと置いておく。
それは、毎日の食事の中で、無理なく栄養を積み重ねる方法のひとつ。
わたしは、ぜひおすすめしたいと思っています。

